特効薬もV字回復も多分無い


「手軽にではなくてもいい。荒療治でいいから外科手術的にごそっと治して欲しい。」と思う人は多いだろう。でもそんなに甘くない。

ゆっくり悪化したのなら回復もゆっくり

身体についた汚れであったり、切れば終わる病巣であれば、とりあえずは危機を脱し、再発しない体質改善をしていけばいいのかもしれないが、ウツはちょっと様子が違う。

ウツや適応障害の場合は、外から来たものを自分で処理しきれなくて、自分を傷つけている感じだと思っている。

だから、外から来るものを休職するなどで減らしたら一時的に症状は軽くなるかもしれないが、処理能力をあげないことにはすぐにパンクしてしまう。

気持ちの持ちよう?

気持ちの持ちようといえば確かにそのとおりなのだが、さも簡単なことのようにいうのが個人的には気に入らない。

人は四六時中、何らかの感情を条件反射的に持ったりするわけだが、それをコントロールすることがそんなに簡単なのだろうか?「好きだ」とか「嫌いだ」とか「キモチワルイ」とかをコントロールできるのだろうか?

だから私は敢えてマインドセットという言葉を使う。マインドセットを変えるのは、本当に大変なのだ。

間違えてもいい

私もやたらに「あれはだめこれもだめ」と言いがちなのだが、それは自分がつらかったからそう言っているだけのことで、つまり私も間違えたわけだ。

だからなんでダメなのかよく分からなかったら、試してみたらいい。もしかしたら、本当はそれは間違いじゃないのかもしれないし、間違いだったら「あーなるほどね。コイツはツライや。」って思うだけのことである。

間違える間違えないよりも、自分で考えて自分で決断して結果を受け止めることのほうがよほど大切だ。

焦らされても焦らない

焦らせる人はその人の感覚だけで対峙してくるのだ。そしてこういうのだ。
「なんでこんなこともできないのか分からない。」
分からないくせにおお威張りである。

まるで「私が理解できないことが存在するなんてことが許せない」と言わんばかりでだ。

しかしツライのはあなたである。あなたがツライといえばツライのである。相手が理解できないことの責任までは追う必要はない。そして何より、あなた自身がなぜこんなことになっているのかを理解できずに困っていることだろう。

だから、そのままを伝えればいいのだ。喧嘩や議論を始める必要はない。
私もなぜこんなことができないのか分からなくて困っているのです。だから医者にかかっているのです。」と。

なんだかまるで営業成績の悪い社員に接するように勤怠の数字目標を掲げる上司もいるだろう。そしてその上司は上からそれに近いものを求められていたりするのだろう。でも、なんといわれようと治療なのだ。焦って治るわけでもないのだ。
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