「今ここに集中」は厳しいものだった

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「今ここに集中」とは

マインドフルネスのひとつで、今現在していることに集中するというやりかたである。
たとえば、いま、歩いているのであれば、足の裏を体重が移動している感覚などに集中する。

動き一つ一つを実況しながら頭のなかを実況でいっぱいにして雑念を抱かせない方法と、ひとつの感覚に集中する方法があるが、いずれにしても過去でも未来でもなく、いまやっている動作に対して集中していくというものである。

「全身全霊」が疑問だった

この「今ここに集中」は全身全霊でやるということをいう人もいて、この「全身全霊」というのがよく分からなかったのだ。

「雑念が出るのに気がついて戻していくという作業に全身全霊になるということなのだろうか」とか「それは一生懸命に近いもので命をかける感じのする全身全霊とは何か違うような気がする」というふうに思っていた。

本業に集中したときに気がついた

今は何が本業なのかは分からないところもあるが、私の場合はとにかく思考を巡らせてそれをキータイプして表現する仕事であることは確かだ。つまり、肉体的な感覚に集中できない状態である。

そこで気がついたのは「“今ここに集中”とは本業であればプロの仕事をすること」ではないかということなのだ。
つまり、最高のパフォーマンスを見せるということだ。

これはまさに「全身全霊」という感じがする。

最高のパフォーマンスとは

本業としていることだと分かりやすく感じた「全身全霊=最高のパフォーマンス」だが、たとえば歩くことに関しての最高のパフォーマンスとは一体なんなのだろうか?

そう考えると、そこにはなにか基準があることに気がつく。
これは人によるのだろうが、しかし多様であってもそれは他人の価値基準ではないはずだ。

自信や威厳が満ち溢れている歩き方がよいと思う人もいれば、美しく軽やかに軸がぶれないエネルギー効率のいかにもよさそうな歩き方が良いと思う人もいれば、その両方だと思う人もいるだろう。

最高のパフォーマンスとは理想の自分を引き出すということだといえそうだ。

少なくとも、背中を丸めてぺったんぺったん歩きながら頭の中で実況しまくっていても、それは全身全霊とはいえないだろう。
それでも雑念を払う作業は心の筋トレとしては優秀なので、意味が無いどころか効果は絶大である。
ただ単に「今ここに集中」にもレベルがあるということなのだと思う。
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