リハビリ中にやらなくていいことをやろうとしない

休職中の終盤や休職明けに、「今度こそうまくやるぞ!」と奮起してしまうことがあると思います。人によっては「奮起するのはハッキリ言ってやめたほうがいいです!」なんて訳知りふうにドヤ顔でいうかもしれません。

いいじゃないですか、奮起しても。むしろ仕切り直しということで、ぐっと腹に力を入れてしまうのは自然なことだと思います。そこに水を差すようなことを言うつもりはありません。もし、気合い入れすぎてしまって空回りをしたとしても、それでまた一つ学びを得たのだから良いと思います。ここぞというときに失敗しなければいいのです。

ただ、やはりひとつ注意してほしいのは、本調子ではないということです。

例えば、インフルエンザで1週間寝込んでいて、やっと外出できるようになったからといってマラソンのレースになんて出たりしませんよね?現役のスポーツ選手であったとしても、まずはちょっと散歩とか軽くジョギングしてみるとか、そういったところから始めると思います。

体力の話に置き換えるとまさにそのとおりと思う人は多いと思うのですが、精神力の話だと不思議なことに途端にいきなりフルパワーが出せると思う人が多いようです。私の上司も同じように思っていたといいます。

とにかく、無理をしないことです。

出社していたころは朝7時に起きていたからといって、会社も無いのに無理して起きる必要はないのです。それでは休日のときはどうしていたのでしょうか?朝7時に起きて、運動して、シャワー浴びて、朝ごはんを食べたら買い物に出かける・・・なんてことをしていたでしょうか?

私の見立てでは、休日にそういう生活を送れる人は、うつにならないんじゃないかと思うんですよね。少なくとも休職直前の休日は、そんなキラキラしたものではなかったはずです。

リハビリは、気持ちが一日もつように、様子を見ながら、そして気持ちの回復の仕方もリサーチしながら模索するときなのです。

これが本当に難しいのです。なぜ難しいのかというと「何に対してどのくらいストレスを受けるのか」ということは一般的な話ができないので、自分ひとりでなんとか探るしか無いからです。少なくともこういった経験がない人には分かりかねる部分も多く、相談をすることすらストレスになりかねません。

あとは、どのくらいできると「今日は一日としてまあまあかな」と思えるのかも、人によるどころかその人の状態にもよってきます。

こういったこともあって、なかなか具体的なことはいいにくいのですが、以下の3つは心にとめておいてもらっても良いのではないかと思います。

  1. 必要なときに必要なことができてから、必要になるであろうことを準備する。
  2. 余力がないなら力の配分を考える。
  3. 今までできたこともないことをリハビリの目標にしない。

1:1日中ごろごろしていてもいい状況なのに、朝早く起きなくてはいけない焦燥感にかられているのかもしれません。その前にやることがあるでしょう。まずは昼夜逆転しないことからはじめましょう。・・・とか。

2:筋トレやったらご飯を作って食べて皿を洗って、ブログを書いたら今度は買い物に出かけて・・・と盛りだくさんにせずに、休憩も計画の中に入れておく・・・とか。

3:そもそもそんな素敵生活送ったこともないのに、それを目標に掲げる(しかも当然うまくいかなくてがっかりする)のではなく、今の状態を素直に受け止めて、ちょっとだけ良くしていこう・・・とか。

そんなところかと思います。

薬を飲んだり、新しい習慣をはじめたりすることで、ガラッと人生が変わって「はじめまして!本当の私!」なんてことを求めてしまう気持ちも分からないでもないですが、ふわふわしていると簡単につまずいてしたたかに顔を打つのがオチというものです。

ひとつひとつ、地味であっても着実に努力していけば、そんなに簡単に転がり落ちたりはしないものです。いちばん大切なのはうまくいかなくてもあきらめないことです。色々試して失敗していいのです。そうしてだんだんうまくいくようになったら、うまくいった方法や失敗した方法を人に話せるようになるのです。

敢えて、言わせてください。あきらめずにがんばりましょう。良くなることをあきらめないことも才能です。

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