結論
ずばり、結論から言うと「自分の希望を伝えること」である。
外に出るのも電車に乗るのも、それは休職があけて時短出勤が始まるときに慣れていけばいいだけのことだ。
そもそも、外に出ることや電車に乗ることで病んだわけではないのだから(それが苦痛であっても原因ではなくて結果的にそうなったという話だ)、そこは休職中に気にするところではない。
もし、それが原因というのであれば、ウツではなくて、広場恐怖症とかパニック障害だと思うので、それに沿った方策をとるのがよいだろう。
カウンセリング
あなたがなぜうつになったのかというと、恐らく抱え込んでしまったからだろう。
仕事を抱え込んだというよりも、「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」という状態だったのではないかと思う。いつのまにか「言いたいことを言うと面倒くさいし、それなら我慢して抱え込んでしまったほうが楽だ」という気持ちになったのではないだろうか?
「言いたいことを言うと面倒くさい」というのは、そのとおりだ。ただ、「言いたいことを言わない」結果がどうなるのかは、十分承知していることと思う。
「言いたいことを言わない」ともっと面倒くさいことになるので、ここは頑張って「言いたいことをいう」練習をしなくてはならない。ここが唯一頑張らないといけないところだ。
あなたがいま休職中であるならば、カウンセラーがついている病院に通っているだろうか?
病院まで通って、カウンセリングを受けるのも一苦労だろうが、カウンセラーは重要なことを手伝ってくれる。それは「言いたいことを言う技術」である。
言いたいことを言う技術
これはテクニックではない。
これはあなたの意識の変更を求めるものである。つまり、時間がかかるのだ。
休職中にこれをマスターすることはまず無理だろう。リハビリ中も根気よく通って、「自分の言いたいことを言う技術」を身につけていく必要がある。
この技術は、我を通すためのものではない。結果的にそうなるかもしれないが、基本的には仕事をうまく回すための技術である。
例えば、ITの技術職で作業自体はできるけれど、人のスケジュールを調整するのが、いまの自分にとって非常に難しいと思ったら、胃薬を飲んで耐え忍んではいけない。
そもそも、耐え忍ぶ体力もなく、一瞬にして撃沈するだろう。
やるべきことは、仕事を振ってくれた人に「スケジュールのすり合わせをするのがいまの私には非常に難しく、このままだと作業もうまくできなくなってしまうので、誰か窓口を立ててもらえないでしょうか?」とお願いすることである。
ここで「そんなの知らない」といわれるようだったら、諦めて転職したほうがいいのかもしれない。会社とは仕事をうまく回すために補い合うのであり、その報告をわがままのように受け取るほうがどうかしている。怒っていいところである。
もしくは、今の会社にそんな余裕がないのかもしれない。どちらにしてもかじりついていて良いことはない。
ここではどのような言葉を選ぶかということが問題になっているのではない。自分が苦しいことを伝えるだけは足りないのだ。「このままだと仕事が終わらない」という箇所と改善策をセットにして訴えなくてはいけないのだ。
はっきり言って、これはものすごく大変なことである。そして、復帰直後はみんな以前のように仕事ができると思って仕事を振ってくるので、この調整は絶対に避けられないのである。
調整をするために、カウンセラーの言葉を借りてもいいし、医師から診断書をとってもよい。
治る見込みがあり、これは過渡期のリハビリという状況であり、医師もその経過を見守っているということが文書としてあるのなら(診断書)、会社も無下にはできない。もちろん、経済的な問題で雇用できないということもあるだろうが、これはあなたからやっておかなくてはいけない対応なのである。
結婚と同じで、終身雇用ということはない。途中で条件が合わなくなってきたら、肩を叩かれたりするのだ。理不尽なこともあるだろう。
ただ「どういう状況なのか、なにができてなにができないのか」を説明しなくては、営利団体である以上、上司や同僚は寄り添うことができない。
「自分の希望を伝えること」がうまくできれば寛解は近い
気力や体力が戻ってくれば、自分の不甲斐なさを説明する必要もなくなってくるし、なにか問題があったとしても、この体験をすることで、うまく報告や調整が出来るようになる。
だから「自分の希望を伝えること」だけを頑張っていただきたい。
とてもつらいし大変なことだが、自分の人生をプラスに変える大切な能力でもある。自分の人生に確かな手応えを感じることができるようになるので、絶対に手に入れてほしい。