これは「あなたの生活が弛んでいる」という話でも、運動の話でもありませんので、リラックスして読んでください。
ただ、多少、誤解を生むかもしれない若干厳しい話もしていきます。
私がすべてうまくやれているということではなく、「弱気になったり流されないようにしよう」という気持ちでまとめています。
気圧
「低気圧が近づくと頭痛が」などと聞くことがありますが、本当でしょうか?
このようにいうとさっと身構える方もいらっしゃるかとは思いますが、そこはいったん落ち着いて聞いてください。
気圧とはつまる空気圧のことで、低気圧や高気圧だけでなく、高低差でも気圧に差があります。
こういった変化は、飛行機や登山、あるいは電車がトンネルに入るとき、エレベーターに乗ったときにも起こります。その変化は低気圧の接近よりも急です。つまり、日常的に気圧の変動の影響を受けているのです。
別に、その頭痛が嘘だと言っているわけではありません。もしかするとじわりと変化するゆえに、うまく体が調整できないのかもしれません。
ただ、その状態は普通ではないのです。自律神経がうまく作用していないなどの理由によって調整できていないのです。本来は難なく調整できるものなのです。
だから、「低気圧が来ているから頭が痛い。そういうものなのだ。そういうタイプの人間なのだ。」というスタンスをとるのではなく、同じ事象に対しても「本来はうまく調整できるはずなのだから、体にはもう少し頑張ってもらおう。」ともっとおおらかな気持ちを持っていただきたいと思います。
そうはいっても、病気で気圧の変化が大きすぎる飛行機に乗れないような方もいらっしゃいます。
私の古くからの友人で、近年体の片側が麻痺してしまい、いまもリハビリを続けていますが、片側がうまく機能しないために、「気圧が変わるとぐるぐるまわるようだ」といいます。
それでも日常生活を通して普通に使っていくことで、機能を回復すべく、もう何年も努力を続けておられます。
もちろん治療は医師の指導のもと、行っていただくことはいうまでもありません。
ただ「こういうものだからしょうがない」というのではなく、「本来ちゃんと調整できるものなのだから使っていくことで機能を回復していこう」というこの心意気は見習いたいものです。
気温差
日本は海に面しているため、結構気温が安定しています。一方で地球には「1日で四季が巡る」といわれるようなパタゴニアのような場所もあります。
「気候変動が激しいところと比べるなんて、ここは日本だ」と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、人間は本来そういった気候変動に耐えられるようにできているのです。
ただ、エアコンや高機能な衣類によってその体の機能を存分に発揮できなくなってしまっています。
乾布摩擦や行水を推奨するわけではありませんが、あまりに過保護に「寒いので、暖かくして、温かいものを食べて」とか「暑いので、すぐに汗を吹いて、水をたくさん飲んで」とやるのもどうかと思います。
こういう話をするとすぐに極端な話をして「老人に死ねというのか」と掴みかかってくる方もいらっしゃいますが、そんなことは言っていないのです。
便利なものや快適なものは使って構わないと思っていますが、「甘やかしすぎになってはいませんか?」「過保護にして体を弱らせてはいませんか?」と言っているに過ぎないのです。
睡眠不足
睡眠は非常に大切なものです。みんなそう思っているからこそ、寝付きが悪かったり寝起きがスッキリしないだけで大騒ぎを始めます。
「いやいや、大切なものなのだから当たり前じゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
体にとって非常に大切なものであるからこそ、体は必要とあらば夜でなくても眠気を発し、眠りへといざないます。
つまり、睡眠が足りていなかったらどこかで眠くなるものだから、大騒ぎするほどのことでもないのです。
睡眠の長さばかりにとらわれて「○時間寝なくてはいけない」とか「睡眠薬を飲んででも眠らなくては」とやっているとだんだん様子がおかしくなってきます。
社会生活を送るために、起きる時間は一定にしたほうがいいとは思いますが、そこさえ決めてしまえば、あとの調整は体がやってくれると思っておけばいいのです。
もちろん、夜中にブルーライトを浴びたり、大音量でアップテンポの音楽を聞いたり、激しい筋トレをしたり、カフェインをたくさん摂取するのはおすすめできることではありませんが、眠れなからといって大騒ぎをすることでもないのです。
食べ物
飽食の時代といわれて四半世紀以上、半世紀近く経ったでしょうか。
人(動物)は飢餓には強くできていますが、飽食には弱い傾向にあります。とくに日本人にはその傾向が強く、肥満となっていなくても内臓脂肪がつきやすいと言われています。
食べたいときにすぐに食べ物が手に入り、特に日本ではどこにでも自動販売機があってすぐに飲み物も飲めます。
食事に関しては腹八分目という言葉があるように、食べ過ぎがいけないことはみなさんよくご存知の通りです。問題は飲み物、水のほうです。
水は貴重なものです。それゆえに、体には水が足りないときの耐性が備わっています。逆に、水を多く摂りすぎた場合は、意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、状況は深刻です。
特に、運動中の水のとりすぎはイオンバランスが狂ってしまいます(塩も抜けているのに水しか補給しないため)。正確には水を摂りすぎた塩不足なのですが、体が体液の塩分濃度を調整するために、必要な分の水も尿や汗として全部出してしまうのです。それでも水を飲み続けると今度は排水が追いつかずに体液が薄まっていきます。そうすると水中毒になります。
このあたりはランニングでは近年、新常識とされているようです。詳細はヘルスケア関連の文献をあたっていただきたいのですが、要するに過剰摂取は足りないよりも深刻な状態を引き起こすのです。
もしかすると、最近普通に見られるようになったサプリメントについても、過剰摂取の問題が起こり得るかも知れませんね。
ストレス
ストレスは長らく悪者にされてきましたが、近年、ケリー・マクゴニガルさんによって、そうではないことが知られるようになりました。
TEDに有名なトークがありますので、ご存じない方は12分足らずですのでぜひご覧いただきたいと思います。
詳細はTEDに譲るとして、そのなかから印象的な一文を引用させていただきます。
ひどいストレスを経験しても、ストレスが無害だと思う人たちの死亡リスクは上がるどころか、ストレスが殆どなかったグループと比較しても研究参加者の中で最も低いものでした。
ちなみに、ひどいストレスを経験してストレスが害悪だと思う人たちの死亡リスクは一番高かったそうです。
すなわち、「ストレスが悪いものだと思っていると死にやすい」ということです。
おや?なんだか色々つながってきたとは思いませんか?
最後に
目の前に現れてくる困難と思われる事象について、前向きに自分の砥石だと思って生きていくことで、より生きやすくなると言えるでしょう。
また、体に大切なものだからといって考えなしに過剰に摂取しようとせず、体と対話をしながら足ることを知っていくというのが健康のコツなのかもしれません。