適応障害という言葉があります。私がウツを克服する直前はそのような状態でした。
要は「今現在社会から求められていることに適応できない」という状態であり、社会から求められなくなれば、それは病気ではないというのです。
例えば「朝、電車に乗って会社に行くのが苦痛で欠勤や遅刻が多い」という状況が、「職場に行かなくても仕事ができる」という状況になれば、それは治療対象ではないのです。
詭弁のように感じますが、得てして医学とはそういうもののようです。それをお医者さんの口から直接聞いたときに、はたと気がついたことがありました。
確かに、今の生活をしていて、誰にも迷惑や負担がかかっていないのであれば、それはそのままで良いのかもしれません。
どこかの缶コーヒーの宣伝ではありませんが、肉体労働をしている人からしてみれば、スーツを着ての營業仕事なんて耐えられないかもしれません。あるいは意外と營業があっていて、仕事が楽しく感じられるかもしれません。
何がいいたいのかというと、「環境を変えることは別に悪いことではない」ということです。
ウツになる人は真面目な人といいますが、真面目というか柔軟性が足りない人というか、自分のあるべき姿というものを強く意識しすぎている人なのかもしれません。少なくとも私は後者にあたります。
もちろん、何でもかんでも環境のせいにしてはいけません。「真面目な人」ほどそれを強く感じることでしょう。
確かに、似たような業界の似たような働き方をする会社を転々としているようでは、逃げていると言われてもしょうがないところはあるでしょう。人間関係でうまくいかなくてそうなっているのかもしれません。
そうではなくて、定時があるような会社から完全なフレックスの会社に移ったり、東京都心から地方都市に移り住んで働いてみたり、開発の現場から營業職になってみたりと、そういう変化をつけてみてはどうでしょうかということです。
それは転職だけではなく、転属ということでも叶うかもしれません。
だからといって、「Webのエンジニアから心機一転!独立してブログで生計を立てるぞ!」というのは無しです。知見や実績があってこその独立であって「心機一転」でやるものではありません。控えめにいって愚かです。それは「やけくそ」というものです。
「変化を恐れるなといったり、石の上にも三年といったり、一体どうすればいいんだ」と思う人もいるかもしれません。それは「自分で考える」のです。
自分の人生です。「人に言われたからやったけどうまくいかなかった。どうしてくれる。」なんて甘ったれにも程があります。その責任は自分で取るのです。
環境を変えるのは逃げというわけではないけれど、動機やリスクについてはきちんと検証をした上で、最後は自分で決断をしていただきたいものです。
自分自身で「真面目系クズ」なんて思ってしまっている方は、専門知識やヘルスケアのあれこれだけでなく、もっと働き方の知見を広めて、自分にフィットする環境を模索してみてはいかがでしょうか。なにか、生きやすくなるヒントが見つかるかもしれませんよ。